これはニサルガダッタ・マハラジの言葉です。
私たちは普段、人の評判や世間体をものすごく気にして生きています。でも、よくよく考えてみると、自分が人のことなどそれほど気にしていないのと同じように、人は私のことなど気にしていません。
でも、人が何か言うと大げさに考えて、傷ついたり怒ったりします。でも、その大半は自分の想像なんですね。人はそんなつもりで言ったのではなかったかもしれないし、一時の気持ちで何気なく言っただけなのに、勝手に想像を膨らませて、いつまでも傷ついていたり、怒っていたりします。
「私」が実在ではないのと同じように、「相手」も実在ではないのです。実在ではないものの言葉を、実在ではないものがマインドの中で勝手に想像しているだけ。それがわかると、人が何か言ったからといつまでも怒っているのがバカバカしくなります。
そしてまた、何か不安になるようなことがあると勝手に想像力を働かせて大惨事が起こるのではないか想像します。私はその傾向が強くて、少しでも体調が悪いとネットであれこれ調べて、がんセンターへ駆け込んで、さんざん検査してもらった挙句、がんノイローゼだと笑われたりします。
事が起こってから対処すればいいものを、起こる前に絶対起こらないような事まで想像して自分で自分を苦しめてしまう傾向があります。思い返してみると、想像して恐れていたことのほとんどは実際には起こりませんでした。中には実際に起こったこともあったでしょうけど、忘れてしまって、今日こうして無事に生きているということを考えると、それほどのことでもなかったとわかります。
私たちは死を恐れています。でも、実際に起こったら、それはひょっとしたら大したことではないのかもしれません。もういい加減、自分の想像で自分を苦しめるのはやめにしたいと思います。
日常生活で時々立ち止まって、「これは単なる想像じゃないだろうか?」と問い直してみたらどうでしょう。