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結びに代えて
私は、中村元さんの仏教関係の本とかも何冊か読んだことがありますが、仏教で言っていることすらよく理解していなかった。
今回、ボブを学ぶ中で、般若心経のあの部分が何を言っているのかわかったので書いておきます。
般若心経では、色即是空・空即是色と言っています。私の家は禅宗なので、葬儀や法事の時など、この文句を何百回と聞いて育ちました。
これをボブが引用した英語で言うと、"Form is emptiness, emptiness is form."(ボブが引用したのは後半の部分)。
直訳すると、「形は空、空は形」。
色即是空・空即是色をネットで解説しているサイトなどで調べると、色(しき)というのはすなわち(いろ)のことで、万物を指しています。
やさしい言葉になおすと、「万物はすなわち、これ空である。空はすなわち、これ万物である」。
驚きました。仏教で言っていることはそういうことだったんですね。日本人の私がボブを経由して「空」の本当の意味を知りました。
ボブの話は「禅」からの引用も多く、禅に対する理解も深まりました。
私は、"Out on a limb"という言葉が好きです。
これはシャリー・マクレーンの本の題名にもなっている言葉ですが、直訳すると、「枝の先」という意味で、もともとは聖書からの言葉だそうです。
その意味は、果実を手に入れるには危険をかえりみず、枝の先まで登って行って、手を延ばさないと手に入らないという意味だそうです。
枝は折れて、地面に叩きつけられるかもしれない。でもそうしないと果実は手に入らない。
私は教えを学びたいと思った時は、いつも枝の先まで行って手を延ばすようにしてきました。そのため、はたから見ればそれほど平安な人生ではなかったかもしれません。
でも今回、手の中に一つの果実が残りました。
この果実が、この先、花を咲かせるのか、枯れてしまうのかはわかりませんが、今はそれがとてもすばらしい果実に思えてなりません。
近所のレストランでアメリカからの来客と談笑するボブ。
今回のメルボルン滞在は、2014年11月から2015年4月まで、途中ニュージーランドへのビザ更新旅行を入れての5か月でした。
ボブのミーティングには60回以上参加。日曜日のミーティングのあとにボブと一緒にランチを食べた回数は20回以上です。本当に幸せな5か月でした。