2015/01/11

セイラー・ボブ・アダムソン・ミーティング・2015 ④


セイラー・ボブ・アダムソンは1928年7月21日生まれのオーストラリア人。
12歳から働き始め、15歳で酒を覚え、以後17年間に渡って飲酒癖に苦しむことになる。

17歳で海軍に入隊。沖縄にも来たことがあるそうです。
海軍に二年半いたものの、慢性のアルコール中毒から来る不安神経症にかかり、海軍を追放される。

その後彼は、アルコール中毒に苦しみながら、羊毛刈りなどの職を転々とする。
32歳になる頃、アルコール中毒から脱出すべく、AA(断酒会 Alcoholics Anonymous)という会合に通う。

そこでボブは、カトリックの神父が書いた「Sobriety and Beyond(禁酒と超越)」という本に出会い、その中で「私たちアルコール中毒者は、人生で二度目の機会が与えられている」という一節に出会います。

ボブが断酒したのは二度目だったため、誰がこの二度目の機会を自分に与えてくれたのかと思い、それを見つける探究を始めた。
洗礼を受けたり、ミサに通ったりして、様々な本を読むようになる。

マハリシ・マヘッシ・ヨーギがメルボルンに来ると講話を聴きに行き、瞑想などを試みた。
様々な探究を試みたのち、48歳の時(1976年)に、インドのボンベイでニサルガダッタ・マハラジを知り、彼の話を一年間にわたり聞きに行くようになる。

ボブはニサルガッタ・マハラジの話を理解してオーストラリアへ帰国。
彼の、16年にも及んだ探究は終わり、以後今日まで、自分が学んだことを教え続けている。

ボブの教えは、インドに古くから伝わるヒンズー教哲学のアドヴァイタ、チベット仏教の最高の教えであるゾクチェン、高度なキリスト教を基にしていると言っています。

ボブのアドヴァイタ(非二元論)は、ニサルダッタ・マハラジから直接学んだものですが、本質的な教えは同じでも、その伝え方や細かい部分はニサルガダッタのそれとは随分違うようです。

ボブの教えはとてもシンプルで、難しい用語や、難解な理論を話すことはしません。
彼の教えの基本は、「自分で調べてみなさい」というところから始まります。言葉はいくら巧みに説明したとしても言葉でしかなく、その物ではありません。ボブの言葉は、あくまでもポインター(指し示すもの・ヒント)であり、それを調べるのは私たち自身です。

私はボブの言葉の中から、自分の心に響いた物を選んで書いていきます。
ボブには、これが「ボブのバイブル」だといえるような本はありません。

本になっている物はすべて、彼の講話のテープを書き起こしたものか、もしくはその抜粋、インタビュー形式のものばかりで、彼自ら筆を取って書いた書物はありません。

一度彼に、「あなたのバイブルと言えるような本を書いてください。そうすれば、みんなもっと簡単に理解できるので、ぜひ本を書いてください」と言ったところ、彼は困ったような顔をして、「書けないんだよ」と言いました。

彼の話は明晰で、知性にあふれています。とても自分で本が書けないとは思えないのですが、若くして働き始め、すぐにアルコールの世界に溺れた彼にしてみれば、自分で本を書くということは、それほど簡単なことではないのかもしれません。

本を書いていないからと言って、彼の見識や深い洞察力は疑いようもありません。それは一目彼に会った人なら誰でもわかるほどで、その人柄は威厳と温かさユーモアにあふれています。

彼の教えの全体を理解するためには、彼の本を読んで、直接彼の話を聞くのが一番だと思いますが、直接会わなくても理解することは十分可能だと思います。

ボブはいつも、メッセンジャーを信奉するのではなく、メッセージを理解することが大切だと言います。

私なりに詳しくわかりやすく書くつもりです。質問があれば気軽に質問してください。真摯な質問にはちゃんと対応させていただきます。
また、ある程度の英語力のある方なら、一度、直接ボブ本人に会ってみるのもいいかもしれません。

彼の話を聞き取るにはそれなりの英語力を必要としますが、個人的にやり取りするだけなら、簡単な英語でもできます。
彼は週三回、元気に喋っていますし、気さくな人で、来る者を拒んだりはしません。

今まで、ボブのところを訪れた日本人はそれほど多くないそうです。(ネットやここに通っている人の話から私が把握しているのは今のところ9人だけです)