佐々木閑 仏教講義 8「阿含経の教え 4,その58」(「仏教哲学の世界観」第11シリーズ)
私は長い間セイラーボブの非二元を学んでいて、ボブの教えは社会に対してどれだけ貢献できるのかということを考えてきました。
確かに、ボブの教えを理解すれば、個人の苦悩からは解放されます。多くの人が救われるでしょう。
でも、一方では、社会に起こっている様々な問題に対して、運動をしたり、ボランティアをしたりして、直接働きかけている人たちもいます。非二元を学ぶ人たちの中にもそういう人はいると思うのですが、たいていの人は自分のことで手いっぱいで、人のことまでは手がまわらない人が多いと思います。それでは、いくら非二元を学んで自分は楽になっても、社会に対しては何も貢献していなことになりはしないか。
そうしたことに対していつも漠然としたモヤモヤがあったのですが、今回の佐々木先生の話を聞いて、やっぱりまず自分の心の平安が先にあるべきであり、極論すれば、それさえ全うすれば、世界も良くなる気がします。
非二元的に言うなら、世界そのものが夢なのだから、あれこれと夢の中の事にかまうな、ということになるかもしれませんが、たとえそれが夢であっても、良い社会になって欲しいと思うのはあたりまえではないでしょうか。