この話はおもしろいです。途中で、人間は意思によって行動しているのではなく、意思よりも先に行動をやっているという話が出てきます。
たとえば、指を動かそうと思って動かす時、私たちは、「指を動かそうと思う→指を動かす指令を出す→指を動かす」という順で行動していると考えていますが、実験して調べてみると、「指を動かす指令を出す→指を動かそうと思う→指を動かす」という順にやっているのだそうです。それを脳が、あたかも最初に指を動かそうと思ったように錯覚させているのだそうです。
後半では、受動意識仮説は釈迦の無我と同じだという話や、老子・荘子の「すべては一つ」と同じではないかとう話がでてきます。つまり、釈迦や老子が何千年も前に発見したことを、前野さんは自分で再発見したと言うのです。
意識は幻想か?―「私」の謎を解く受動意識仮説