見てみたら、日本人の方が非二元について話してみえるYouTubeだった。
私は日本人が語る非二元のYouTubeは今まで見てことがなかったが、おすすめされたので、ちょっと見てみた。
その方はとても魅力的な方で、満面の笑みで幸せそうな表情で話しをしてみえた。「私はいない」「何も起こっていない」という、おなじみのフレーズも使ってみえた。ああ、日本でも、もうこういうフレーズをあたりまえに使う人がいるのだということがわかった。
でも、見ていて何かしら、違和感のようなものを感じた。なぜそう感じるのかわからず、しばらく見ていたら、非二元を知ってから「物事が自然に解決する」「お金が自然に入ってくる」「病気が治った」というようなことを話してみえた。
その時点で、見るのをやめた。時間にしてせいぜい10分ぐらいしか見ていないので、その人のことを批判するつもりはありません。その人は単に自分の体験談を語っているだけで、非二元を学べば必ずそうなるとは言っていないのかもしれません。
ここから先は非二元にまつわる一般的な話として書きます。
確かに、非二元の教えを理解すれば、心理的な苦悩からは解放されます。その結果として、「物事が自然に解決する」ということもあると思います。でも、もともと問題などありはしないのだから、その問題にとらわれなくなっただけで、それが自然に解決するようにみえるだけかもしれません。
問題が自然に解決するわけではなく、物事には具体的に対処しなければ解決しません。
「お金が自然と入ってくる」ということも、非二元の教えを理解したために決断力がついてビジネスがうまくいうという場合もあるかもしれません。でも、いくら非二元の教えを理解しても、お金は働かなければ入ってきません。
非二元の教えを理解して心理的な苦悩から解放されれば、より健康になる場合もあると思います。でも、ニサルガダッタ・マハラジは癌で亡くなったし、セイラーボブはパーキンソン病を患っています。
非二元の教えは、ある時何かが起こって、万事うまくいくという教えではありません。
至福に包まれて、あとは幸福に暮らせるという教えでもありません。
非二元の教えを理解して起こることは、心理的苦悩からの解放だけです。
問題は以前と同じように起こってきて、あれこれに対処しなければいけないのは以前と同じです。とらわれが無くなったぶんだけ、対処することは容易にはなりますが、何もしなくても何もかもうまくいくなんてことはありません。
お金は働かなくては入ってきません。非二元は「引き寄せの法則」とは何の関係もありません。
非二元は、成功法則の教えではありません。だから人気がない。
ネット上で非二元について書いている人のサイトを見ると、非二元という名のもとで、セラピーや個人指導をしている人を見かけます。
それは必ずしも悪いことではないし、場合によっては助けになるとは思います。
でも、忘れてはいけないのは、非二元の教えというのは、結局のところ、自分で理解する以外に方法はないということです。
セラピーやリトリートと呼ばれるものは、一種のエンタテェンメントです。私も過去にはあれこれとたくさん参加しました。そういったものに参加すると、ほんの一時理解した気分にひたることができます。あ~私は変わった。すばらしい経験をした。すっきりした。癒された。
でも、一週間もするとまたもとに戻ってしまい、また次のセラピー、リトリートを探し始めます。エンタテェィンメントでは何も解決しません。主催者が儲かるだけです。
誰かの教えを学んだら、本当にそうだろうかと、自分で調べることが唯一の解決法です。
私は「ただそれだけ」を何回も読んだのに、セイラーボブが何を言っているのかサッパリわかりませんでした。でも、このブログとあわせて読んでいただければ、「ただそれだけ」一冊だけで、非二元の教えを理解することは十分可能だと思います。
(メルボルン 2016年)