2019/07/15

おたよりをいただきました。

Takuさん、こんにちは。

僕は18才の時に不安神経症のようなものになり、毎日が暗闇の中という状況の時に、たまたま書店で、ある仏教の本に出会い救われました。とはいえ少し楽になったという程度でしたが、以後仏教書を読み漁るようになりました。


25才の頃、鈴木大拙の著書に出会い、ますます仏教に傾倒していきました。それから現在まで僕の人生は仏教とともにあったという感じですが、一昨年、ネット上で非二元(ノンデュアリティ )の教えというものに出会い、関連書を読んでいくうちにセイラーボブさんの教えに 出会いました。幼いころから本好きだった僕はそうやってたくさんの本を読んできましたが、Takuさんにとってセイラーボブさんの著書以外で今でも読む本やお薦め本などありますか?

セツ

精神世界や自己啓発の分野の本で、今でも読む本は、セイラーボブ関連の本だけです。
父が亡くなった時に実家の整理をするのにとても苦労したので、今一人暮らしの私としては、私が死んだ時に妹が整理するのに苦労しないようにと、断捨離を徹底していて、なるべく物を持たないように暮らしています。本は片っ端から断捨離しています。

今本棚にある精神世界の本は、セイラーボブ関連の本と、時間ができたら読もうと買ってあるMystique of Enlightenmentだけです。

セイラーボブ以前に読んだ精神世界の本をあれこれ思い返してみたのですが、お勧めできるような本が思い当たりません。
セイラーボブを知った今となっては、どの本も色あせて見えます。

精神世界以外の本では、ノンフィクションやエッセイが好きで、特に好きなのは伝記、評伝、旅行記、紀行物などですが、おそらくそういった本のことを聞いてみえるのではないと思います。

不安神経症のようなものになったと、おたよりにありましたので、そのあたりの関連で私の記憶に残っているお勧め本について書きます。
セツさんはもう不安神経症のようなものとは関係なくて、あまり参考にはならないかもしれませんが、病気治療の本としてではなく、自己啓発の本として読んでも役立つと思います。

私は過去に、不安神経症と強迫神経症で長く苦しみました。不安神経症の方は、突然に猛烈な不安感に襲われて、呼吸が苦しくなり、動悸が激しくなり、今にも死んでしまうのではないかという不安に襲われる症状でした。

強迫神経症の方は様々な強迫観念があったのですが、一番強かったのは高所恐怖症で、高いビルで仕事ができないほどでした。
そうした症状から救ってくれたのが、森田正馬博士の本でした。森田正馬 Wikipedia

森田正馬は、いまから100年以上前に活躍した精神科医、大学教授で森田療法の創設者です。
森田療法とは、一言で言うと、
「恐れや不安を取り除こうとするのではなく、そのままあるがままに受け入れて、自分の目的とする行動をする」です。

森田先生は患者を施設に入所させ、投薬療法をするのではなく、症状はそのまま受け入れて、健康な人と同じように日常の家事、労働に従事させるという方法を実践して、多くに神経症の患者を治療しました。

森田療法は、先生の死後も弟子たちに受け継がれ、アレンジされながら今日まで続いています。

森田先生の本を読んだのは、もう20年以上前です。
私が読んだのは、森田正馬全集でしたが、全集の中からこの二冊が再版されているようです。

神経衰弱と強迫観念の根治法―森田療法を理解する必読の原典
神経質の本態と療法―森田療法を理解する必読の原典

不安は、不安を何とかしようとすればするほど大きくなるので、そのままにしておいて行動するという考え方をする人が西洋にもいました。

不安のメカニズム―心の病から脱出するために (ブルーバックス 237)
この本は改訂されて新版が出ているようです。
完全版 不安のメカニズム: ストレス・不安・恐怖を克服し人生を取り戻すためのセルフヘルプガイド (単行本)
翻訳も内容も多少違うようですが、私が読んだのはブルーバックスの方です。
この本も助けになりました。特に、不眠症には効きました。

そして最後にもう一冊。

クヨクヨするな!どんな悩みも自分で解決できる

この本は神経症治療の本ではなく、日常に起こってくる様々なトラブルや悩みの対処法について書かれた本です。
著者の黒川康正さんは現役の弁護士です。

黒川さんの法律事務所には様々なトラブルをかかえた人たちが助けを求めてやってくるそうです。そして、その多くの人が、トラブルの内容そのものよりも、トラブルに対する恐れや心配のために、トラブルとなっている問題の本質を冷静に把握できず、問題をさらに大きくしてしまっている傾向があるそうです。

その対処法として、まず問題は何なのかを冷静に見極める。そして、最悪の場合、何が起きるかを考える。その解決法はあるのか。あるとしたらどんな方法があるのか。最良の方法はどれなのかを決めて対処する。といった順番に問題を解決していく手順が書かれています。

問題を解決するのに、心配や恐怖は不要で、冷静に対処すれば、どんな問題も解決できると書いています。
この本は実際に日常に起こってくるトラブルや悩みを解決するのに有効です。
セイラーボブの非二元の教えは、日常のトラブルを解決するのに即効性があるとはいえません。日常のトラブルで、さてどうしたものかと悩んだ時は、この本が解決のヒントをくれるかもしれません。

ここに書いた4冊の本はどれも断捨離してしまって今手元にないので記憶で書いていますが、何回も繰り返し読んだ本ですので、お勧めできます。

この4冊の本の根底にあるのは、セイラーボブや精神世界の本で言われている「あるがまま」「そのまま受け入れる」という教えが根底にあるように思われます。

おそらくセツさんはもっと違うタイプの本を期待してみえると思いますが、なかなか適当なものを思い出せませんので、これでご容赦ください。