2022/10/04

仏教における悟りの段階

佐々木閑 仏教講義 7「阿含経の教え 3,その16」(「仏教哲学の世界観」第10シリーズ)


仏教の修行者(比丘)が修行を続けると、どういう段階をへて悟るのか。
仏教の悟りとは、突然に起きるものではなく、コツコツと自分を変えていくトレーニング。
トレーニングを積めば、最終的には悟りにたどり着く。どんな人でも確実に上がっていける。誰にでも道が開かれている。

これは非二元の教えにも通じると思います。
セイラーボブの教えを理解すると、「私」は実在ではない、ということがわかります。ああ、自分は理解した、もうこれで大丈夫だ、と思っても、ハネムーンはそう長くは続きません。日常生活で何か問題が起きると、すぐに「私」がやってきます。

そしてまた「私」がいるか調べて、「私」は実在ではないと理解します。でも、しばらくすると、また「私」はやってきます。そしてまた調べます。あとはこの繰り返しです。そして、少しずつ「私」はやって来なくなります。でも、完全に「私」がやって来なくなることはなく、「私」が実在かを調べることはずっと続くのであり、これは一種のトレーニングではないかと思います。