2021/12/08

方丈記・徒然草

仏教のことをブログに書こうと思って、あれこれ本を読んだのですが、その読書感想的なものを記録してきませんでした。

読んだ時は素晴らしいと思ったのですが、今となっては(ブログに書いたこと以外で)、具体的に何をどう素晴らしいと思ったのかよく思い出せない。そこで、これではいかんと思い、今後は分野を問わず、読んだ本の感想をブログに書いていくことにしました。

過去のものについても書こうかと思ったのですが、図書館で借りたものも多く、もう一度読み返すのは大変な作業になってしまうので、やめました。仏教関係の本については、仏教・アドヴァイタ 参考図書を見てください。読んだ当時、おすすめだと感じたものには☆印がしてあります。

仏教について学ぶうちに中村閑先生が本やYouTubeで説かれている、「世俗的な欲望を追及しない生き方」に興味を覚えるようになり、「放浪の天才数学者エルデシュ」や現代語訳 方丈記 (岩波現代文庫)新版 徒然草 現代語訳付き (角川ソフィア文庫)を読みました。

セイラーボブの影響が大きいことは言うまでもありませんが、最近の私は世俗的な欲求がほとんどない。これは良いことなのか悪いことなのかよくわからないのですが、お金とか名誉とかに対する執着がなくなってきています。

年齢的なこともあるのですが、健康で衣食住が足りていれば十分だと思うようになりました。あえて欲求と言えば、もっと本が読みたいということぐらいです。

何者かにならなくてはいけないという焦燥感が全くなく、穏やかな日々が続いています。できるなら、こうした日々がこれからも続いて欲しいと思っています。

このブログに、読書感想を書いていこうと思います。
手始めに、「方丈記」と「徒然草」について書いておきます。

現代語訳 方丈記 (岩波現代文庫)

すらすら読める方丈記 (講談社文庫) (おすすめ)
これは中野孝次による現代語だけでなく、感想や解説が章ごとについている。天災や飢饉の様と自身が体験した戦争との比較も考えさせられるものがある。また、原文には全部ふりがながふってあるので、原文を読むのにもよい。できれば原文を読んで意味がわかるようになりたいと思うのですが、ちょっと先のことになりそうです。

これは文章そのものが短いのですぐに読めてしまいます。今時はYouTubeの方が便利なので、YouTubeも載せておきます。

朗読『現代語訳 方丈記』鴨長明 佐藤春夫訳


アバタロー「方丈記」解説

平安時代も現代と同じように、天災、疫病が流行り、人々を苦しめました。人々の悩みや苦しみは今も昔も変わらない。世の無常。いかに危ういバランスの上に人間の世界は成り立っているのでしょうか。

私はこの朗読が好きで、何度も何度も聞いています。生きていれば、世俗的な欲求が基準点としてやってくることもあります。ついついそうしたことを追いかけたくなるのですが、いやいや、穏やかに暮らした方が幸せだと思い出して朗読を聞いています。

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新版 徒然草 現代語訳付き (角川ソフィア文庫)

すらすら読める徒然草 (講談社文庫)(おすすめ)
これも中野孝次による現代語だけでなく、感想や解説が章ごとについている。もともとの順番どおりではなく、中野さんが項目別に編纂した順に載せてあるので読みやすい。また、解説や中野さんの哲学のようなものがとても参考になる。

こちらもYouTubeが便利なので載せておきます。

朗読『徒然草』(①/4) 吉田兼好 作 佐藤春夫 訳 (序~60)

アバタロー「徒然草」解説  

徒然草もすばらしい。衣食住足りて健康なら穏やかに暮らすことが幸福というもの。それ以上望むのはぜいたくというものだと言っています。

自らの若かりし日々を振りかえってみると、何のために新車を買ったり、ゴルフだ旅行だとあくせくしたりしていたのか…。そして絶えず何者かにならなくてはいけないという強迫観念に支配されていました。何かを手に入れれば幸せになれるというのが、いかに幻想だったかわかります。

鴨長明も吉田兼好も、ある意味で世俗を放棄して生きたのですが、それでいて我慢するとか悲しいといったネガティブな感情とは無縁で、日々を楽しみ、風流を愛して、穏やかに生きたようです。本当の幸せとは何なのかを教えてくれます。

YouTube の朗読はどちらもすばらしいです。本よりも、朗読の方が親しみやすいかもしれません。