それで、何がロボットと違うかというと、後天的に植え付けられた情報によって、「私は人間だ」「私は生まれた」「私は生きている」「私は死ぬ」と思い込んでいます。でも、非二元を学ぶと、そんなことは後天的に植え付けられた情報にすぎないということを理解します。そして、常住普遍の魂なんてものも、「私」なんてものも存在しないという理解に至ります。
そうだとすると、私たちはロボットと何もかわらないことになります。バッテリーが切れたら身体が動かなくなって、意識が消えるだけです。動物も同じです。だとすると、ロボットも動物も人間も、実際には同じようなものではないでしょうか。人間だけが、自分は特別だと思っていますが、実際には自然の一部にすぎません。
ロボットや動物と人間が決定的に違うのは、人間だけが心理的な苦悩を持つという点です。なぜ心理的な苦悩を持つかというと、「自分が生きている」、あるいは、「自分がこの生をコントロールしている」と思っているからではないでしょうか? 悩み事は、本来自分ではコントロールできない物事を、なんとかしてコントロールしようとするから起きるのではないでしょうか。
ロボットだったら、そんなことは考えもしないでしょうし、動物だったら、少しは悩むかもしれませんが、悩んでいるより先にエサを探さなくてはならず、悩んでいる暇なんてないのではないでしょうか。
私も心理的な苦悩をいくつも抱えていた苦しい時期がありました。周囲の状況から起こる悩みばかりでなく、病的なものもありました。振り返って今思うのは、そうしたことの特効薬は、放置しておくというか、忘れてしまうことが一番ではないかと思います。もちろん、原因がある悩みについては、原因を解決すべく、できるだけの努力はすべきだと思いますし、病的なものについては医者や薬の助けも必要かもしれません。
でも、基本的には、そうしたことをコントロールできる「私」はいない、悩みの主体となる「私」は実在ではない、ということを理解して、今やるべきこと、やりたいことに焦点をあてることが解決の近道ではないいでしょうか。問題や悩みを解決しようともがけばもがくほど、エネルギーはそちらへ流れ、悩みや問題は大きくなっていきます。もともと問題はマインドが作っているものにすぎず、実体などないのですから。
悩みや問題の解決は、非二元の教えを理解することがベストだと思います。でも、大きな悩み事を抱えている方で、非二元の教えよりももっと即効性のある解決策を探してみえる方は、以前ブログに書いた、こちらを参考にしてみてください。何かの参考になるかもしれません。