すばらしい話があります。これもまたインドの伝承で、ムクタナンダからのものです。
ある男が生の本質を知りたくてグルを訪ます。生の本質は何なのですかと尋ねるとグルは、「汝それなり、すべてはそれなり」と答えます。
男はその言葉に打たれて理解します。グルの家を出て、「我はそれなり、汝それなり、すべてはそれなり」と言って歩きました。
村人たちが向こうから走ってきて、「逃げろ象がやって来るぞ」と言いました。
男は、「ああ、我はそれなり、汝それなり、すべてはそれなり」と言いました。
野生の暴れた象が角を曲がって男に向かって突進してきました。
男は象を見て、「我はそれなり、汝それなり、すべてはそれなり」と言いましたが、象は男をつかんで木へと放り投げました。
数日後、手足を骨折して入院した男をグルが見舞いに行くと、男は言いました。「どうして言ってくれなかったのですか? 私の身体を見てください」
するとグルは、「人々が象が来るから逃げろと言ったのを聞かなかったのか? 彼らもまたそれなのだ」
ピーター・ローリー