65ページまで読んで挫折しました。何のことを言っているのかよくわからない箇所が何か所もあって、読み進められませんでした。日を改めて再度読もうとしましたが、無理だったので、ところどころ拾い読みしましたが、全部通して読んではいません。
高木悠鼓さんの本は何冊も読んだことがあり、いつも読みやすいと思っているので、翻訳のせいではなく、原文がそうなっているのだと思います。私の場合、非二元の本を読んでいて挫折するのはよくあることで、「I AM THAT」も「意識は語る(あ、これも高木さんでしたね)」も挫折しました。科学の本では「時間の終りまで」や「すごい物理学講義」で挫折。
私は神経が細かいというか几帳面というか、ちゃんと理解できないと読み進められない性分。せっかく買った本なのに、読めないという敗北感は大きいのですが、読めないということがわかっただけでもよしとします。
ちゃんと読んでないのに内容を紹介するというのは僭越ですが、読んだ範囲で紹介すると、この本はもともとは一話読み切りの記事として雑誌に掲載されたものを集めて編集したものだそうです。書下ろしのエッセイ風の文章があり、その中に言葉による説明・図解・実験があって、それによって読者が自分の本質とは何かを見るように意図されています。
文章はキリスト教に関するものが多く、引用もイギリス文学からのものが多いため、おそらくイギリスの国内で販売された雑誌に掲載されたものではないでしょうか。あまり馴染みのない話ばかりで、そのあたりも読み進められない一因かもしれません。話の内容は非二元に限定されたものではなく、スピリチュアル一般に対するダグラス・ハーディングの世界観が中心になっています。
私はかつて高木悠鼓さんが日本で主催されたダグラス・ハーディングのワークショップに出たことがあります。正確な日時はわからないのですが、場所は京都でした。ネットで調べると、1996年4月にダグラス・ハーディングは東京でワークショップをやっているので、おそらくその前後だと思います。
どういう経緯でそのワークショップを知ったのかはよく覚えていません。ダグラス・ハーディングの本を読んだあと、おそらくブッククラブ回のニューズレターかなんかでワークショップを知ったような気がします。当時はまだエンライトメントを探していたころで、ダグラス・ハーディングは覚醒した人だと思っていました。
何を読んだかはまったく覚えていませんが、当時、内容はまったく理解していませんでした。まだ、非二元なんて言葉は一般的になっていなかったと思います。ワークショップは昼食をはさんで一日。通訳はヒューイ陽子さんでした。ワークショップでのダグラス・ハーディングは、普通の洋服を着た英国人で、覚醒した人というのはローブでも着ているものだと思い込んでいた私はちょっと拍子抜けした感じがしました。
ワークショップの内容はまったく覚えていませんが、何のことを話しているのかさっぱりわからなかった記憶があります。紙袋の両端から二人でのぞき合って何かしましたが、何のためにそれをやっているのか理解できませんでした。ワークショップが終わったあとは、すっかりダグラス・ハーディングのことは忘れていました。20年後、セイラーボブのところへ行き、ボブの口からダグラス・ハーディングの名前をたびたび聞くにつけ、彼が非二元の教師だと知りました。セイラーボブはダグラス・ハーディングと面識があります。ダグラス・ハーディングがメルボルンでワークショップをした時に、その準備をサポートしたと言っていました。
ダグラス・ハーディングのワークショップの資料をネットであれこれと調べていたら、高木悠鼓さんのYouTubeチャンネル(シンプル堂)で、ダグラス・ハーディングの1996年4月の東京でのワークショップの動画が公開されているのを見つけました。このブログに貼り付けできないので、高木悠鼓さんのYouTubeチャンネル(シンプル堂)で見てください。
この動画は二日間のワークショップを27本の動画に分けて公開されたもので、それぞれが約20分あります(27本×約20分)。本を挫折した私は、動画ならなんとかなるかと思って全部見ました。通訳の方はおそらくヒューイ陽子さんではないかと思うのですが、とてもわかりやすく、すばらしい内容でした。
ダグラス・ハーディングは、簡単な実験を使って参加者を覚醒へと導きます。ダグラス・ハーディングは「覚醒する(awake)」という言葉を使うのですが、こんな覚醒なら大歓迎です。むしろこれこそが本当の覚醒なのだと思います。
ダグラス・ハーディングは、「非二元」だとか、「あなたはいない」というフレーズを使いません。実験によって、本当の自分はなんであるかを参加者が自分で気づくようにと導いていきます。そして最後には自分が何であるかを教えてくれるのですが、ネタバレになるといけないので書きません。ぜひとも動画を通して見てください。
私が参加した京都のワークショップは一日で終わるものでしたが、この動画のワークショップは二日続きのもので、ダグラス・ハーディングの奥さんやアラン、エリックといった人たちも出てくるので、私が受けたワークショップとは内容が違うのかもしれません。あるいは京都は短縮版だったのかも。
ダグラス・ハーディングが、「非二元を生きる」とはどういうことかについて語っている場面はとても参考になりました。また、奥さんの話もよかった。Urban Guru Cafeにはキャサリン・ハーディング が4回登場します。どうして奥さんが話すのかよくわかっていませんでしたが、キャサリンもダグラスと一緒にいろんな国でワークショップをやっていたのだということがわかりました。
この動画の公開は11か月前で、比較的最近です。おそらくそれ以前は有料で販売されたものではないでしょうか。この動画はそこらの非二元の本よりも、はるかに非二元の理解に役に立つものだと思います。
京都でダグラス・ハーディングのワークショップに出てから28年たって、やっとダグラス・ハーディングが何を教えていたのかを理解しました。1996年当時、「非二元」という言葉はまだ一般的ではなかったし、非二元関連の本はまだ多くなかったと思います。ラマナ・マハルシ関連やダグラス・ハーディングの本はありましたが、「非二元」という言葉では分類されてはいませんでした。非二元の本がさかんに翻訳され始めたのは2010年以降ではないでしょうか。ニサルガダッタもトニー・パーソンズもまだ翻訳されていないはるか以前の1996年にダグラス・ハーディングを日本に呼んだこと、しかも今それを無料で見られることを高木悠鼓さんに感謝します。
今はダグラス・ハーディングが何を言っているかわかるのですが、1996年当時の私が理解できなかったのも無理はないかと思って動画を見ました。探しているものや場所が全く違っていました。言うならば、ダグラス・ハーディングは私にとって28年先の教えを教えてくれていたわけで、私には時期尚早、エンライトメントを探して暗闇をさまよっている時期でした。やっとこの動画が理解できる地点にたどりついたところです。
あまりにも貴重な動画です。ぜひこの動画を見ることをおすすめします。
Amazonの著者紹介
ダグラス・E・ハーディング(Douglas E.Harding)
1909年にイギリス生まれ。
厳格なキリスト教原理主義の家庭に育ったが、
21歳のときに独自に人生を探求するために、自分の宗教と決別した。
30年代、ロンドンで建築の仕事をしていたとき、自分とは本当は何なのかに興味をもった。
そして30代の前半、仕事でインドに滞在していたとき、自分の本質に覚醒する。
以後建築の仕事を続けながら、人間の本質と宇宙の構造について研究を続け、
53年にその研究をまとめたThe Hierarchy of Heaven and Earth(天と地の階層)を出版。
その後、一般向けに書いた『心眼を得る』(図書出版・絶版)は欧米でロング・セラーとなっている。
建築家を引退後は、著作活動をしながら世界中に招かれワークショップをおこなう。
90代になっても、「私とは本当は何か」を多くの人たちと分かち合うことに献身し、
2007年に97歳の生涯を終えた。
The Headless Way ー 頭がない方法 (高木悠鼓さん主催)
頭がない方法 FacelessJapanFilms(YouTube)
シンプル堂サイト(ダグラス・ハーディングは高木悠鼓さんが詳しく紹介してみえます)