2018/11/05

プロローグ

万物は一つのものである。分離した個人は存在しない。
そこにあるのは他には何もないたった一つのもの。

それは意識。アウエアネスもしくは知性エネルギーとセイラーボブが呼ぶもの。
それは私たちの意識。日常に普通にある意識のこと。思考や記憶の背景にある意識のこと。

私たちは、それを個人の意識だと思っているが、個人の意識ではない。
宇宙の果てまで、あまねく空間に、このアウエアネス、知性エネルギーだけが広がっている。

そこに人間が現れる。人間はその意識を五感と思考を使って感じ取り、この意識は個人の意識だと錯覚する。個人の意識も全体の意識も同じもの。たった一つの意識があるだけ。ただそれだけ。

深い森の中で一本の木が倒れた。木こりはドシーンという音を聞いた。
音とは何だろう。それはバイブレーション。バイブレーションが空間を伝わり、木こりの耳に届き、それを脳が変換してドシーンという音を感じることができる。

そこに木こりがいなかったら、ドシーンという音がするだろうか。
バイブレーションはあるかもしれないが、ドシーンという音はない。

海辺で一人の少女が青い海を見ていた。色とは何だろう。それは光の波長、バイブレーション。その波長が少女の目に入り、脳が青い色へと変換する。
もしそこに少女がいなかったら、青い海はあるだろうか。
波長はあるかもしれないが、青い海はない。

人工衛星から一人の宇宙飛行士が丸くて青い地球を見ていた。形とは何だろう。それは光のコントラスト。波長、バイブレーションのコントラストが宇宙飛行士の目に届き、脳が丸くて青い地球に変換している。
もしそこに宇宙飛行士がいなかったら、丸くて青い地球はあるだろうか。

もし全宇宙に、人間が一人もいなかったら、そこに宇宙はあるだろうか。
もちろんそこには、バイブレーション、波長、エネルギーのようなものはある。
しかし、それを五感で認識して変換する人間が一人もいなかったら、そこには何があるだろうか。

バイブレーション、波長、エネルギーのようなものはやがては消えていく。
するとそこには何があるだろうか。

そこにあるのはセイラーボブが知性エネルギー、アウエアネスと呼ぶもの。
それは私たちの意識。そこに万物は現れる。それは他には何もないたった一つのもの。

あなたは、その意識(アウエアネス)そのもの。
あなたは肉体でもなければ思考でもない。
あなたは生まれたこともなければ死ぬこともない。
あなたは、他には何もないたった一つのもの。

万物は一つのものである。分離した個人は存在しない。
そこにあるのは他には何もないたった一つのもの。ただそれだけ。