夕方からセイラー・ボブのミーティングへ。
ボブと関係者に何か手土産をと思って、名古屋から「都あられ」の詰め合わせを持参。なんで「都あられ」なのかというと、ボブに会う前の二週間にケアンズ滞在、全豪オープンを見るため、最低でも三週間以上賞味期限があるものでないといけなかった。
名古屋のデパートをあれころ探したが、三週間以上日持ちする菓子がほとんどない。何とかせんべいや、何とかパイ、サブレは全滅。パックに入った「羊かん」や「ういろ」も、意外と日持ちしない。ところが、この「都あられ」だけは賞味期限が三か月もある。
オーストラリア人が醤油味のあられを美味しいと思うかどうかは疑問だったが、他に選択肢がなかった。
セイラー・ボブは一年前と変わらず、元気にミーティングをやっていた。
今日の参加者は9人。うち7人が以前見たことがある人たちだった。
始まる直前まで集まりが悪くて、まだ三人しかいなかった時、常連の女の人が、「今日はテニスで好カードあるからみんな来ないのよ。○○に電話したら、テニスを見るから行けないというの。私はテニスなんかより、ボブの方が大事だわ」。もう一人の男が「俺も」と言った。
そのすぐあとでボブが「タクはいつメルボルンに着たの?」と私に聞いた。
ドキッ。「実は一週間前に着いたんだけど、テニスを見に行っていました。もちろんボブのところへ来るのがメインで、テニスは友人がどうしても見たいと言うのでしかたなく行ったけど」
「ダメじゃないか」とボブ。もちろん冗談ですけどね。
ミーティングの形式は一年前とまったく同じ。最初の40分間ぐらいspielがあって、そのあと質疑応答。spielも以前とまったく同じで、いつも聞いていたやつ。少しはパターンを変えればと思うが変わってない。
これは逆にありがたい。というのもボブの英語は聞き取りにくいので、以前聞いたことがあるspielなら完璧に聞き取れるが、世間話のジョークとなると、聞き取れないことも多いので。
質疑応答では、最初に遠来の客である私を指名してくれたので、少し質問。日本を出る時は、疑念や疑問がいっぱいあって、全部聞こうと思っていたが、こうしてボブの前に出ると、質問が消える。
ボブの存在感のなせるわざなのか、ボブの言うことが全部真実に聞こえて、質問することがなくなる。他の人がボブの言っていることを正しいという前提で会話を進めることあって、今更「どうして万物は一つだとわかるんですか?」なんて聞けない雰囲気もある。
ずっと黙って聞いていたら、終わりにまたボブが私を指名した。
「日本にいる時はたくさん質問があったんですが、ここに来たらなくなってしまいました。次回までに考えてきます」と言ったら、
「そうですね。タクはテニスを見に行っていたくらいだですから」と言ってラケットを振るふりをして大笑い。ボブは相変わらずユーモアたっぷり。